或る日、僕は

「ほぅ…お客さんか、珍しいな。ここはダンジョンだ。わたしはここでコーヒー飲んでるから、ゆっくり見て行ってくれ。幸運を祈る。」Since 2014.

受験 | お題スロット

お題「受験」(1,600文字程度)
 受験、「試験を受けること」。受験と一言で言っても様々な試験があります。入学試験、資格試験、就職試験、etc...
 そこで、私の初めての受験「高等学校入学試験」、いわゆる高校入試について、書いてみます。本文中では「高等学校入学試験」を、高校入試と記述します。
「20歳」という今週のお題も挙がっています。このお題を見て、はてなユーザーの年齢層が案外、若年のような気がしたので、高校入試をとりあげてみたいと思いました。


 受験の際に思うこと。いろいろと考えることもあれば、考えてもわからない部分もあったり、また、考えが至らないことも多々あります。考えたこともないこともあったりします。一言でいうと、実際に自分の実力をさらされる初めての機会が、高校入試だと、私は考えます。

 私が中学生のころ、最も得意としていた科目を紹介します。
社会科」です。あんまり勉強した記憶がないのに、最も試験の点数が良かったのは、社会科でした。

 そして、私が中学生のころ最も苦手としていた科目も紹介しておきます。
体育」です。こればっかりは、同級生とずいぶん差がついたなぁと思っていました。

 そこで、三者面談です。私は、公立の進学校を受けたいことを強く主張しました。
 思えば、ここまで自分の意向を主張したことは、このときが人生で初めてだったように、今、振り返ってみて思います。
 自分は特別なんだ、という気持ちがとても強くあったように思います。
 ただ、自己主張がうまくできないことに、劣等感を持っていました。

 そして、季節は進み、迎えた中学3年生の冬休み。なんと勉強合宿です。5泊6日の、勉強合宿。
 冬休みを終え、あっという間に試験の日。高校入試を受けました。

 数日後、中学校の同級生が、
「もし受かってなかったらどうしよう」
 と、私にとても不安そうに言うのです。

 このとき初めて、私は、不安を抱えていたのだと、気づきました。
 それまで考えたこともなかった、不安を感じる気持ち。
 このときの同級生の口調は、忘れられません。

 そして、季節は進み、中学校の同級生のみんなとは違う学校で迎えた春。
 両親は喜んでいる。みんな喜んでいる。だけど、自分だけは嬉しくなかった。
 なぜか、勉強への意欲が、すべて失われたように思えた。

 それでも、月日は流れていき、なぜかは知らないけど、自分の思いをきちんと受け止めてくれるひとに出会うまでは、ただ、つらかった。とても長い間、つらい期間があった。

 いま振り返ると、確かに私の進路は間違っていたのかもしれないけど、今、こうして生きている。
 この世に生まれた以上、どうしても生きていかなければならない。
 それは、なぜか。
 生きているとはどういうことか、を、定義すること。
 世の中分からないことばかりだけど、いま実際にここに文章を書いている私は、確かに私である。
 誰とも代えがたい大切な「私」である。
 20歳くらいの頃には、そんなことを考えていました。

 恩師の言葉を紹介します。
「世の中、捨てたもんじゃないですよ」
 あのとき、人生をあきらめないで本当に良かったと思う今日この頃です。[EOF]

P.S. 16:31 2016/01/28
 書いてみたら、過去の自分の気持ちを整理できた。書いてみて良かったと思います。

▲このページの先頭へ戻る